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「ちくしょ…う…」
はぁはぁと肩で息をしながら、わずかな差で前を走る和泉を見て、距離を縮めようとするのだが一向に差は変わらない。
すこぶる余裕そうに走る和泉を見ていて‘慣れてるな’と思う。
陸上部か何かに入ってたに違いない。
「もー、無理…!」
広い校舎を五分以上走ったところ
運動部に入ってない俺の体には大分きつかったらしい。
完全に息が上がってしまった。
あれだけ走ったというのに、まだ寮を出たところで校舎が見えてもいない。
どれだけ遠いんだ……。
そう痛感させられたが、回りに生徒を何人か見かけて、遅刻はセーフかもしれない、と安堵の息を吐いた。
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