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「だから言ってんだろ!? 不思議でやばくてとんでもねえって噂の女だ!! この村にいるってのは分かってんだよ!! さっさと教えやがれ!!!」
閑静だったはずの林地村に、怒号が響き渡る。
青年が、一人の村人の胸倉を掴み、大声で怒鳴り散らしていた。
程なくして、その村人は一言も喋らないまま、泡を吹いて気絶した。
青年は小さく舌打ちした。
「ちっ。失神しやがったよ」
青年は、村人を片手で突き飛ばすように放り投げた。
背後にあった木箱を直撃し、村人はだらりとした状態のまま、動かなくなった。
その光景に、村中がパニックに陥った。
悲鳴を上げる者、街道を走り回る者、屋内に飛び込む者。
村人達は恐怖に蹂躙されていた。
ケンカくらいなら、この村や隣の村でもよくある事件だ。
日常茶飯事の出来事であるはずだ。
では、何故村人達は、こんなにも狼狽しているのだろうか。
理由は、この青年自体にあった。
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