第1章1話 マリアーナ.

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小さな子には答えを与えるが、育った子には考えさせる。 「エミリーは何故だと思う?」 「…暦が一回りしたら2400年  経つから…。1つの暦を2  度経験する程長生きする人  は居ない為数えなかった、  でしょうか?」 育った子は物事を難しく考えるのが好きなようだ。 「それも有るだろうね。でも  本当はもっと簡単で、昔は  “数を数える”という概念  が無かったんだ。」 「では、1つの暦が200年とい  うのは、どうやって数えた  んですか?」 すぐに次の質問が飛んでくるところが、小さい子と違う面白いところだ。 「ふふっ。どうしたと思う?」 「それは…」 「暦が作られた頃は、きっか  り200年で区切られていな  かったと言われている。つ  まり、数を数える概念が出  来上がってから私たちが使  っている今の暦になったと  いう事だ。」 歴史の中には、この様にいい加減な物も結構有る。 「へぇ~、ふっしぎー!」 小さい子の、何でも素直にうなずいてくれるところも面白い。
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