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『教育者が規則を破るなんて!』
そう思う真面目な私の隣に
『しかし、教育者も人間だ。やりたい事があれば行きたい所もある。』
と、無責任な事を囁く私がいた。
午前の授業を終え昼食を取りながらどうやって抜け出そうかと、そればかり考えていた。
城下町に来ている商人に、荷物と一緒に運んでもらおうか?
いや、都合よくイグロスの商人が見つかるとは限らない。
イグロス城に用があるように装って外出手続きをして、そのまま行方をくらまそうか?
いや、それでは足が着くかもしれない。
それとも,,,
午後の授業の始業チャイムが鳴ったのを聞いて、授業がない私は資料室に籠って関連資料を読み漁った。
戦争そのものの記録は午前の授業で使ったラッツォの日記しかないので、ラッツォが書いた以上のことはわからない。
まず、魔法族についての記録を読んだ。
他にも妖精の解体書、小人の解体書、巨人の解体書、霊物の解体書、魔物の解体書を読み直して彼らについての知識を総復習した。
あぁ、解体書とは図鑑のようなもので、彼らの生態が事細かに記されている本のことだ。
著者が違うと解釈が違う部分があるので、著者違いの解体書も全て読んだ。
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