序 章        

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バパ老師の考え通り食料不足は深刻だったが、これは人間の策略だった。 連合軍としてではなく、人間の策略だ。 アレンが持ってきた大きな荷物は、城の玄関口に置いておいた。 その日の夜、たまたま城を巡回していた私が、玄関の荷物の中から声を聞いたのだ。 荷物の箱は釘で蓋を留めてあった。 人を呼んで開けてみると、中から小人程の大きさの魔物が出てきて、奇声をあげながら城の中を走り回った。 我々の中にも魔物出身の者がいる。 彼らは口々に 「彼らは苦しんでいる」 と言って追いかけた。 そして、爆発音が5つ。 箱に閉じ込められた小さな魔物は、体に爆弾を巻き付けられていたのだ。 アレンが送り込んだ5匹の魔物を含め、死者は12名。 同じ種族だと言って助けようとした者たちが3名巻き込まれ、周りにいた人間が4名巻き込まれたようだ。
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