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「これで何度目だと思ってるんだ!! おまえは書類1つまともにつくれないのか!!」
今日もいつものように上司に怒られているのは 結城 尋時 入社3年目のサラリーマンである
「いや、でも課長の阿部さんがこうしろって…」
「人のせいにするな!そんなんだからおまえはいつまでたっても成長しないんだぞ!みてみろ、去年新人で入った城川はもうおまえより立派に働けるぞ」
「それは城川さんがすごいからであって…僕は普通なだけで…」
「言い訳すな!じゃあおまえも後輩を見習え!後輩に抜かれるようじゃ世話ないぞ!」
「いや、抜くとか抜かないじゃないですよ。城川さんは同じ仲間だし、一緒に協力して…」
「馬鹿者! 世の中は競争社会なんだよ! 抜く抜かないが全て。何もできないやつはおいてかれんだよ! 今年の新人もまたいいのが入ったからな、抜かれるようじゃお前は…」
上司は尋時が作った書類を目の前で破く
「クビだ!」
たいして大きくもない職場の部屋中に響き渡った怒鳴り声は、職場の雑音を断ち切るかのように一瞬の沈黙を連れてきた
他の社員はみて見ぬフリをして また同じ空気へと戻っていった
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