プロローグ

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俺の両親は、アメリカの捜査機関に「スパイ容疑」で、 俺の目の前で射殺され、遺体も回収された。 俺が15歳の時のことだ。 捜査機関は去り、 周りには殺された両親。 行く宛てもなく、 住み慣れた街のとは思えない 暗く静かな路地。 道の脇には朽ち果て、 生きているのかわからないような、 ピクリとも動かない人間。 いや、人間というより、 人形のようだった。 両親が殺された、あの日から4日が過ぎ、 俺は遂に精神的、気力、肉体的疲労が 限界に達し、潰れた店の中で倒れた。 気を失う前に、 割れたガラスに写る自分は、 自分ではない、何か、「悪魔」のような 血に染まった、自分だった。
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