序章 ドンブラコ

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―――2094年8月某日,キュー州チクゴ地方の某山中 「そろそろ夕飯の支度でもしようかしら…」 山中の山小屋で一人せかせかと家事にいそしむ中年の女性が一人 彼女の名は新条梓(シンジョウアズサ) 剣術道場の師範である夫の山籠りに付き添い身の回りの世話をするためここキュー州の山に来ている 近くの滝で剣術稽古をしている夫を見守りながら夕飯の用意をしているようだ 「そういえば川でスイカを冷していたんだわ💡」 はっとした表情を浮かべ梓は仕事の手を止める 近くに流れる清流で持参したスイカを冷やしていたのだ 梓は夫の大好物であるスイカを夕飯後に出そうと考え、夕飯の支度を切りのいいところで切り上げ清流の方へ向かった
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