ーある日の朝ー

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それは ある日曜日の朝だった   眼に飛び込んできた鮮やかな赤   『もってて』   アナタに言われて手渡された ソレを必死に抱える小さな手   指の隙間から 生ぬるいモノが幾つも幾つも溢れ出て、   真っ白なネグリジェを赤くした 一面に血の海を創った   何処からか湧いて来た傍観者   無数の冷たい目に 晒される     父親の頭を胸に抱く幼い少女 顔色一つ変えない、で。
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