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ジロリと凄まれ、和志はイチの墓に向き直ると、手を挙げて言った。
「オレ、立木和志は、涼湖を一生愛する事を誓います!」
選手宣誓じゃないんだから。
またも心の中でツッコむあたしを、朝斗が急かすように睨む。
あたしはため息をついて、イチの墓を見た。
一度目を閉じ、ゆっくりと開くと、そこにはイチがいるような気がする。
「あたしも、和志を一生愛する事を誓います」
そう言うと、冬なのに柔らかい風がふわりと吹く。
イチが笑ったような気がした。
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