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「あの、ひょっとして・・・、メグちゃんが妊娠したって、勘違い、してたんじゃないスか?」
「・・・なぜだ。」
「いや、・・・俺も同じように泣いたんス。いや実際は泣いてないけど、心の中で泣いたんスよ。
この前の・・・リンが・・・めのまえでムクと・・・あ、いや、ね。
なんか、変かもしれないッスけど、俺、リンのこと可愛くて、可愛くて、なんつーか、娘?じゃないんスけど・・・。」
コウタは頭をかいて照れている。
「お父さん見て、こないだの俺を思い出しちまって・・・。あ、いや、違うならいいんス!ただそれだけなんで。」
ヨシオはコウタを見た。
ヨシオはそうか、と言うと、玄関で靴を履きながら尋ねた。
「予定日は?」
「いや、明日病院行くんで・・・。」
「・・・よし、私も行く。」
「は!!!???」
「うちのムクがおたくの娘さんにした事に対して、責任をもたないとな。」
コウタは感じている。
俺のチェリーボーイ脱却作戦は、また、遠退いた、と。
でも、しょうがない。
コウタは分かっている。
それだけ、娘は可愛くて可愛くて仕方ないのだ。
「子犬は渡さねえ!!」
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