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「猫は猫舌だよな。」
なんだか1人で楽しそうな人間だなぁ。
街頭よりもここは明るい。
ちょっと眩しい。
それに外よりもあったかい。
虫もいない。
やっぱり室内だ。
他の猫の匂いがしない。
「なんだ?腹減ったか?ちょっと待てよ。」
なんだか勘違いされてしまったみたいだ。
お腹が減ったのは確かだけど。
なんだかダルい。
日に日に疲れるのがわかる。
「熱いかな?」
あっ、なんか持ってきた。
牛乳だ。
飲んでいいのかな?
怒られるのかな?
「なんだ飲まないのか?熱いかな?」
なんだかすごい見られてる。
飲んだほうがいい…んだよね。
「おっ、飲んだ飲んだ。はは、第一関門突破!」
うわ、いきなり大きな声。
ビックリした。
…喜んでるんだよね?
よかった。
喜んでくれて。
前の飼い主から食事を貰っていなかったわけじゃないけど、皆一緒に同じ食べ物を同じ時間にくれた。
おいしかった。
この人のは全然豪華じゃないし、ただのぬるい牛乳だったけど。
なんだか初めて身体中がぬるくなった。
嫌なぬるさじゃなかった。
毛の一本一本に伝わる味だった。
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