プロローグ

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嘘―…。 美鶴まで、お父さんとグルになって、私を騙しているんだ。 きっとそうだよ。うん。 こんないきなり、会社を辞めるわけがない。 いや、でも―… 『僕さ、嘘嫌いなんだよね。いくら冗談でも』 と、言ってたのは美鶴。 確かに、美鶴はその言葉通り、嘘や冗談は通じない。 小学生では珍しい現実主義者な男のはず。 でも、だとしたら…… 「とりあえず、これ読んでみなよ その方が話しが早い。」 「ハイ」 すると、美鶴は、青くて小さめの封筒を渡してきた。 「これは……!?」 「母ちゃんからの手紙。 今朝届いたんだってさ」 へっ――――?? お、お母さん!? 心臓が激しく波を打った。 私は慌てて封筒から手紙を取り出し、読み始める
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