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僕は一人の女性を愛していた。
少し異質な愛の表現ではあったが、不器用だということでうやむやにしていた。
まさか、あんな結末が待っているとは微塵も想像せず。
相手は結構きれいな人で、ここ最近良く姿を見かけていた。
職場のそばや
職場の最寄り駅や
自宅のそばや
自宅の最寄り駅や
たまには休日の外出先でも見かけるようになっていた。
最初は気に止めてはいなかったんだけど、何回か見かけるうちに
あれ?
何かこの前も?
みたいな感覚を覚え、次第に気になり始めた。
それからと言うもの、無意識に彼女の姿を目で探すようになり、見つけると、そ知らぬふりをして微妙な距離を保ちながら後を追ってみたりもした。
いわゆるひとつの
『ストーカー』
の誕生である。誕生の瞬間である。
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