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遠い遠い記憶。
まだ自分という存在と他者という存在の区別もついていなかった頃。
目に映るモノに善悪があることすら知らず、ただ純粋に世界を見ていたあの頃。
空に輝く星を指さしてアイツが言った。
あの星があなただと。
夜空に輝く星はとても綺麗で力強く輝いていたのに、同時に広い世界で独りぼっちだと小さな自分が泣いた。
そんな映像を俯瞰で見ている高校生の自分。
記憶の底に埋もれてしまったのか、故意に押し込めたのかそれすらわからない。
ふと目を覚ませば机に伏せた写真立てが目に入る。
今思えばあの星はアイツだ。
僕にとって一番輝いていたのに独りぼっちで逝ってしまったアイツなんだ…。
そんなことを思いながら、涙が溢れた。
そしてそのまま再び深い眠りに落ちていった。
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