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あの時、元也がボールを投げたが
元也の指が引っ掛かり、ボールが離れるタイミングがずれてしまった。
元也が腕を振り切る直前で指が離れ、ボールが投げられたが、ボールは隣のレーンに飛んでしまいピンを一本だけ倒した。
隣でプレイ中のカップルは唖然とした態度で固まり、その隙に光輝たちは逃げ出してきた。そして、現在に至る。
「あれは反則負けで良いと思うぞ」
「それより、元也君の一人負けだと思わない?」
「そうだな。今日の負けは元也だな」
光輝の隣で、さんせーと由衣も手を打つ。
「皆で寄ってたかって…これじゃあ僕が悪いみたいじゃないか」
「みたいじゃなくて、悪いのよ」
麻美がしれっと元也に訂正を入れた。その様子に光輝と由衣が笑い、由衣は楽しそうに言った。
「でも、今日は良い勝負だったね」
「確かに。久しぶりに熱くなったわね」
「……僕は負けてないぞ」
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