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逃げるときは必死でも、過ぎてしまえば笑える話になっていた。
四人は今日のゲームの感想を口々に言い合い、楽しそうに家に向かいだした。
「あ、犬だ」
帰り道、元也は言葉どおりに犬を見つけると、四人の輪から離れた。それとは逆に光輝はあとずさる様に、由衣に近づいた。その行動に麻美が気が付いた。
「あれ、黒河君、犬苦手なの?」
麻美の問いかけに光輝は目を犬から離さず、ああ、と短く答えた。
「よく分からないけど、よく犬に追いかけられて…。いつの間にかダメになってた」
「へえ、そうなんだ」
麻美は相槌を打つと楽しそうに元也とじゃれている犬に目を向けた。
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