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野良っぽいが人には良く懐いていた。
と、偶然にもその犬が光輝の方を見た。
なんとなく嫌な予感を感じた光輝は、犬に目を向けたまま、タイミングをはかりながらじりじり動き、隙を見て背中を向けて逃げ出した。
わん、と吠えると犬はその後姿を追いかけた。
「やっぱり、こうなるのかよ!」
光輝は叫びながら、今来た道を走り戻った。
その出来事を由衣と麻美はボーと見ていた。光輝の姿が見えなくなると、麻美は口を開いた。
「もしかして、黒河君の体質のせい?」
「うーん、そうかも」
由衣はバツが悪そうに笑って答えた。
由衣の言葉どおり光輝はなにかと運が悪かった。
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