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「よし、今日も終わりだ。由衣、帰ろうぜ」
ホームルームが終わり放課後になると、光輝は鞄を持って由衣に声をかけた。
「いいよ。ちょっと待ってて」
由衣は頷くと、急いで荷物を鞄に詰め込んだ。
「元也もどうだ…ってあれ?」
先ほどまで光輝の前の席に座っていた元也がいつの間にか消えてしまっていた。
「橘ならもう帰ったわよ。バイトらしいわ」
キョロキョロ探す光輝に鞄をかかげた麻美が教えた。
「そうか…。と、麻美ももう帰るのか」
「ううん、私は部活。じゃ、お先」
それだけ言うと麻美は颯爽と教室を出た。由衣が鞄を持って立ち上がった。
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