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「おまたせ。行こうか」
「ああ、そうだな」
光輝と由衣が校門を出ると、由衣は思い出したように口を開いた。
「そういえば、光輝の隣にある家って誰も住んでないよね?」
「ああ、あの空き家だった家か」
「だった?」
光輝の使った過去形の言葉に疑問を感じ、由衣が聞き返した。
「そう。今までは由衣の知ってる通り空き家だったけど、昨日、トラックが来て色々荷物を運んでたみたいだから、誰かしら引っ越してくるんじゃないかな」
光輝の家の隣には二つ家が建っていた。
その片方が、橋崎家の物だが、もう一つには誰も住んでいなかった。
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