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静は携帯電話を取りだし、電話を掛け始めた。
プルルルル…
[はい。スピードワゴン財団オペレーションセンターです。]
どうやら財団に掛けた様だ。
「考古学部門総括部長ミッシェル氏に繋いでちょうだい。
私は静・ジョースター。IDは010106251よ。」
静はオペレーターに取り急ぎ伝えた。
[かしこまりました。ID確認後お繋ぎ致します。少々お待ち下さい。]
オペレーターがそう伝え、何秒かした後…
[…どうした?静?]
電話の向こうにミッシェルと呼ばれる男が出た。
「ミッシェル?財団以外の人間があの存在に気付いたわ。
電話では話も出来ないし、例の場所に15分後に来れないかしら?」
静はミッシェルに口早に伝えた。
[何だって!?…それは厄介だな。
わかった、例の場所に向かう。ただしここからだと20分後だ。]
ミッシェルは一瞬声を荒げて静にそう伝えた。
「わかったわ。」
静はそう告げると電話を切った。
「さて…あとは用心を重ねて移動するだけね。」
静は携帯電話を終うと独り言の様に呟いた。
「『アクトン・ベイビー』。」
静が呟くと隣に赤ん坊の様な半透明な像(ヴィジョン)が現れた。
ニット帽の様なモノを被り、顔より大きなサングラスにおしゃぶり、星の模様の入った産着を羽織った赤ん坊の様な像(ヴィジョン)。
そう。
これが静のスタンド…
『アクトン・ベイビー』の姿である。
「『アクトン・ベイビー』、この車ごと透明にしなさい。」
静はスタンドに命令した。
ズッギュゥゥゥン!
次の瞬間、音を立てて車は静ごと透明化されていった。
「後は事故らない様に移動するだけね。」
静はそう呟くとアクセルを踏み込んだ。
後に後ろを走ってた何人かの運転手が口を揃えて…
「く…車が…突然消えちまったんだよォォォォ!」
と叫んでいたらしい。
「宇宙人の仕業だ!」
「幽霊車だ!」
とか色んな噂が飛び交った様で、後にこの高速道路は
『ゴースト・ハイウェイ』と呼ばれた…
かは定かではない。
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