プロローグ -静・ジョースター-

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バスッ…バスッ! 2発の鈍い音と共にミッシェルのうめき声が聞こえた。 「ミッシェル!」 思わず静は声を上げた。 「…クソッ!…お前も喰らえ!」 ミッシェルも苦し紛れに銃を撃つ。 ガンッ!ガンッ! 同じく2発発射した。 しかも静のスタンドで透明化している為、銃弾も透明化している。 ガシンッ!ギィン! スタンドの男の前で銃弾が弾かれた音がした。 ミッシェルと静が見るとそこにはもう1体の人型スタンドが男の前に立っていた。 「『レディオ・ヘッド』の前では見えないとか隠れるとかいう行為は無駄ですよ。」 別のスタンドの陰からレディオ・ヘッドを操る男はそう言った。 「…ガフッ!」 ミッシェルは血を吐き倒れた様だ。 「ミッシェルゥ!」 静は透明化を解き、ミッシェルに近寄る。 「…ダメだ…オレは肺に喰らっちまってる…。 …君だけでもこの場を切り抜けろ…。」 静に抱えられたミッシェルは息も絶え絶えそう言った。 「そんな……ごめんなさい…私が呼び出してしまったばっかりに…」 静は自分がミッシェルを巻き込んだ事を悔やみ涙した。 「…いいさ。…財団に入った時からこういう事は覚悟の上だ…。 それより…君のスタンドは戦い向きじゃないだろ…? 戦おうと思わず…必ず逃げるんだ…」 ミッシェルは最後に忠告をした。 「…大丈夫。私はジョセフ・ジョースターの娘よ? 訳ないわ。」 静は涙を抑えて気丈に振る舞ってみせた。 「…必ずだ…」 そう呟くと糸が切れた人形の様に静の腕の中で崩れ落ちた。 「…ミッシェルゥゥゥ!」 静は大きく慟哭した。 「さて、別れは終わったかな? 次は君の番だ。」 人型のスタンドを出した男は一部始終を見てそう呟いた。 「お前達は許さない!」 静は涙を拭き、その場にいきり立った。 「我々もここで時間を潰してる訳にはいかない。 君の持っていた欠片の行方もわかった事だし、早めに始末させてもらう。」 男は呟いた。 「!?欠片の行方ですって!? …バカな…」 静は一瞬たじろいだ。 「我々は貴女を始末した後、息子のジョシュア・ジョースターを追わせてもらいます。」 レディオ・ヘッドの男がそう呟いた。 「息子に欠片を託したのだろう。 それさえわかれば君に様はない。」 付け足す様に隣の男は言う。
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