156人が本棚に入れています
本棚に追加
ドサッ!
レディオ・ヘッドの男が音を立てて倒れる。
「まさかレディオ・ヘッドを倒すとは…思ったよりやるじゃないか?」
レディオ・ヘッドの男が撃たれて倒れたのに関わらずその男は微動だにしなかった。
「しかし、ここでレディオ・ヘッドを失う訳にはいかない。
彼には欠片を集める仕事が残っている。」
男は奇妙な事を言い始めた。
「?…その男は死んだのよ?」
静は男がおかしいのかと問いただした。
「『ジューダス・プリースト』!」
男は静かに呟いた。
すると…
レディオ・ヘッドの男がまるでテープの巻き戻しの様に起き上がり、ミッシェルの死体は再び透明化、男の左こめかみの弾丸痕も元に戻って数秒前に戻った!
「『ジューダス・プリースト』は数秒、時を戻した。
しかし、この先起こる事は私しか知らない。」
男は誰に聞こえる事のないくらいの声で呟いた。
「男の死体の方から弾丸が来る。数m避けろ。」
ジューダス・プリーストを操る男がレディオ・ヘッドの男に言う。
それを聞いたレディオ・ヘッドの男は数m避けた。
バキッ!
ミッシェルの死体から発射されたであろう弾丸は虚しくも男達の後方の教会の壁に当たった。
「!?何ですってェ!?」
静は透明なのを忘れて声を上げた。
それもそのはず、ミッシェルの死後硬直を利用したレディオ・ヘッドを倒す計画をいとも簡単に破られたのだ。
最初のレディオ・ヘッドを倒した記憶はもちろんない。
『ジューダス・プリースト』に戻され、改竄(カイザン)されたので記憶にあるのはジューダス・プリーストの男だけである。
「万事休すだな。」
ジューダス・プリーストの男は得意げに笑みを浮かべた。
「…グッ…ま、まだだ。ジョースター家に伝わるとっておきが1つだけ残ってる。」
静は透明ながらも男達に言った。
「ほう。それは何ですか?」
レディオ・ヘッドの男が一応伺ってみた。
「…それは……
逃げるんだよォォォ!」
静は一目散に教会の入口に向かって走り出した。
「バカめ。
『ジューダス・プリースト』!静・ジョースターの時を戻せ。」
ジューダス・プリーストの男が呟くと透明で見えはしないが静の体が巻き戻しの様に戻って来た。
┣゙スッ!
鈍い音が響き渡った。
「…な…何で…?」
周りの透明化が解かれて行く。
その音の先にはジューダス・プリーストの手によって胸を貫かれた静の姿があった。
最初のコメントを投稿しよう!