プロローグ -静・ジョースター-

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身元不明の女児をジョセフ・ジョースターと言う人物が養子にしてから33年の月日が流れた。 ジョセフ・ジョースターとはかつてこのニューヨークでジョースター不動産を営み一代で不動産王の名を欲しいままにした実業家である。 過去、遺産相続の書類を作成したところ、日本に隠し子がいた事が発覚。 直ぐ様、老体の身を引きずって日本に向かった。 隠し子の件は何とか収まったが、その日本で事件に巻き込まれ身元不明の女児を拾う事になる。 以後、この女児の親は見付かる事がなく、ジョセフ・ジョースターが養子としてニューヨークに連れ帰った。 ジョセフ・ジョースターの妻はスージーQと言い共に外国人なのだが、女児はれっきとした日本人であった為その女児は「静(シズカ)・ジョースター」と名付けられた。 その静・ジョースターは今年34歳になる。 現在1人息子の母親でもある。 しかし息子の父親、つまり夫はいない。 彼女は男嫌いと言う訳ではないのだが自分の義父を含め、ジョースター家の男を男の理想像とするあまり他の男に興味がなかったのだ。 だが自分の子供は欲しいと、相反する考えから精子バンクにて体外受精を敢行。 19歳で未婚の母となる。 現在彼女はニューヨークに支社のあるスピードワゴン財団の考古学研究所に勤務している。 彼女は、考古学博士である。 スピードワゴン財団とはかつて石油王と呼ばれたロバート・E・O・スピードワゴンなる人物が立ち上げた財団で古い昔からジョースター家と関係あり、何かと協力してくれる財団である。 今彼女はある考古学の研究を行っている。 普段研究はリーダーを中心に何人かで1チームとして行うのだが、今回彼女の行っている研究は彼女1人で行っている。 これには訳があるのだが、スピードワゴン財団内でも最重要機密の研究の為、研究員に知られる事なく1人で行わなければならないのだ。 そしてこの研究こそがこの物語の発端であり、大きな運命の螺旋を描いて行く事となる。
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