プロローグ -静・ジョースター-

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慌ただしい朝を迎える。 「ジョシュア、起きなさい!」 静がいつまでも起きない息子に荒げた声をあげる。 「もう…ちょっと…」 ジョシュアと呼ばれた息子は無意識か眠ったままだ。 ┣゙スッ! 鈍い音を立て、静の足がジョシュアの腹部にヒットする。 「グッ…!」 ジョシュアは腹部を押さえうずくまる。 「実の息子に対してそんな起こし方ありか?クソババァ…」 ジョシュアは一瞬で目が覚めたのか静を睨み付ける。 「あら?今日は日本に行く日だからちゃんと起きなさいって言ったはずよ? 凄く効率のいい目覚ましだったでしょ?」 静は腕組みをして得意げにジョシュアを見下ろした。 「そっか…今日だったか。悪かったなクソババァ。」 ジョシュアはそそくさとベッドを降りた。 「ありがとう。最高の誉め言葉よ。」 静はクソババァと言われた事に満面の笑みを浮かべた。 この親はおかしいのか、クソババァと呼ばれる事に喜びを感じている。 静曰く、「息子が成長して反抗期を迎えた。クソババァと呼ばれるのは愛情の裏返しで、それだけ私に愛情があるって事よ☆」だそうだ。 「ジョシュア、荷造りは大丈夫ね?」 着替えるジョシュアにベッドを直しながら静が問う。 「あぁ。それは昨日までにやってあるし、大概はもう送ったよ。」ジョシュアは答えた。 「ならいいわ。パスポートにチケット、飛行機の時間も大丈夫ね?」 「あぁ。」 静の質問に寝起きの無気力な返事をするジョシュア。 「前にも言った通り、母さんはこっちまとめてすぐ日本に向かうわ。 家や学校の手続き等は財団の方でやってくれたから問題はないし、到着当日は空港に仗助兄さんが迎えに来てくれるはずよ。」 静は再度確認する様にジョシュアに語り掛けた。 「あのヤンキージジィが来るのか?」 ジョシュアは一瞬手が止まった。 「あのジイサンどうも苦手だよ…」 ジョシュアは渋った顔をしながら再び手を動かした。 「あら?昔イジめられたから?」 静はニヤけながら言った。 仗助とは静の兄にあたる人物でジョセフ・ジョースターの実子である。 しかしジョセフ・ジョースターが日本人女性と浮気して出来た子で血縁的にはジョースター家だがジョセフすら産まれたのを知らず母親が勝手に産んで育てた為、東方(ヒガシカタ)と言う母方の姓を名乗っている。
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