プロローグ -静・ジョースター-

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「残念だけどお断りだわ。」 静は振り向きダッシュで柱の陰に向かって逃げ出した。 「確かに残念です。少々痛い目を見てもらいましょう。」 男は悠々と柱を曲がった。 「!?」 男は一瞬立ち止まり、辺りを見回した。 すぐここを曲がったはずの静が消えていたのだ。 男は慌てる様子こそ見せなかったが若干焦ったのか停めてある車の間や後ろなどを調べた。 「……」 男は立ち止まる。 「…静・ジョースター…そう言えばスタンド使いだったか…。」 頭を掻きながら男は呟いた。 そう。 忽然と姿を消した…イヤ、消えたその理由は… 彼女、静は『スタンド使い』である。 超能力の様な精神エネルギーの使い手、『スタンド使い』。 1人1能力の彼女の能力は… 『透明』にする…である。 範囲は決められているが物体、生物はたまた自分を透明にする能力である。 そしてそれぞれのスタンドに名前がある様に彼女のスタンドにもれっきとした名前がある。 『アクトン・ベイビー』 そう名付けられている。 「…私が必要以上に追う事もないか。あの能力は少々厄介だからな…。」 男は静を探すのを諦め、その場を立ち去った。 「…『アクトン・ベイビー』…解除よ。」 男の姿が見えなくなるのを確認した後、静が呟くと透明化していた静の姿が現れた。 「…何者かしら?財団の者でもないみたいだし… あの『欠片』を知っているとなると只者ではないわね。」 静は足早に車に乗り込み、空港を離れた。
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