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「いえ……、先程ヴィさんは私が先生に似ていると仰いましたが、ヴィさんこそ先生ににていらっしゃると思いまして」
するとヴィさんは露骨に嫌そうな顔をして「何故」と訊いてきます。
「人間を知りたいと思うその気持ちが」
私の目蓋の裏に映る少女は相変わらず暗く、しかし目だけは異様な光を灯して、自らの腕を切りつけているのでした。
ヴィさんは、私の答えに少し許、納得したようで、ふむと言いました。
「慥かに、それは私と彼奴の数少ない共通点だ――数少ない、な。一緒にされては困る」
私の両目は今、ヴィさんに塞がれているのでヴィさんの表情は見えませんが、きっと複雑そうな表情をしているのでしょう。
ヴィさんは話を戻すように言います。それと同時に、見ている光景もふぃと変わりました。
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