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次に目に入ったのは、またしても少女でした。
学校でも友人と楽しそうに話をしていて、家でも特に家族とトラブルもなく、いつも笑っているような少女です。
いつもいつも楽しそうに笑っている――。
「彼女もなのですか?」
私がそう、尋ねると、ヴィさんが頷いたのがわかりました。
「彼女は特にこれといった悩みもなく、ましてや"死にたがり"でもなかった。けれども彼女は日々自身の腕を切りつけているのだ」
何故だと思う?
そうヴィさんは尋ねてきました。
「……わかりません」
私は首を横に振りました。
しかし胸に微かな予感を抱いてはいました。
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