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「そして彼女はある事を思い付く」
「え?」
少女は机に向かっていました。どこか思い詰めた表情です。右手には刃が長く出ているカッターナイフ。そして、それをゆっくりと左手に押し付けて――
「ああっ!」
私は思わず叫びました。
「何故彼女は自らあのような事をするのですか!」
するとヴィさんはふむと吟味するようにして、
「いくつかの複雑に絡み合った理由が考えられる。しかし、リスカたちは共通して"死にたがり"ではないという事だ」
「"死にたがり"ではない?まさか」
「まあ"死にたい"そう思ってやる者もいるだろう。だが、リスカ程度じゃあ人は死ねないのだ。その事をリスカ達もよく分かっているのだ」
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