プロローグ

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盛留市…読み、さかどめ市 そんなに大きい訳でも栄えている訳でもないが、一応市であり、棗の地元でもある。帰って来るのは去年の正月以来だ。 「なぁつぅめぇ!!」 ふと横から棗を呼ぶ声がした。振り向くと美人の女性が大きく手を振っている。 「母さん…恥ずかしいから大声で呼ぶのはやめてくれ」 この美人でいつも笑顔が絶えなさそうな女性は棗の母親なのだ。名前は南風原美歌(ハエバラ ミカ) 「気にしない気にしない」 そう言って公衆の中にも係わらず棗を抱き締める美歌は…天然です。 「やぁめれぇ!」 と藻掻く棗だった。
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