ファンタジア……[鍵]

2/2
前へ
/22ページ
次へ
 この世には、"異能"と呼ばれる力が存在する。  それは到底生物が出来ない、超常現象の類を、操る力。  彼らを我々は、ミステリアスと呼ぶ。  わたしはミステリアス。能力は物語に干渉する力。  短所は寿命が減ること、弱点はわたしが外の世界の住人だと気付かれること。  ふとしたキッカケで、物語から出られなくなる。  ミステリアスのうさぎ、フォンと物語から出るために物語を回ることになっちゃった!  まるで、不思議の国のアリスだわ!  ツンデレシンデレラ。弱虫桃太郎に、俺様一寸法師。食いしん坊赤ずきんに物語に出てこないはずの鬼!  わたし、元の世界に帰れるの?  ーー扉の鍵は、誰の胸の中に……? 「別にっ、あなたのためではありませんわ!」 「僕には出来ないよぉ」 「はん、小さいからって馬鹿にしてもらっちゃ困るぜ」 「お腹すいたぁ……食べちゃだめぇ?」 「あんたは邪魔なんだと。」 「あなたはまるで、私のようだわ、エリィ。」 「アリス、あなたの結末は、それを選んだの?」 「僕じゃ、ダメなの? エリィ」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加