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笑みを浮かべたまま答えた僕に、ユメちゃんは目を伏せた。
金の髪の下から、白い翼が生える。
この子は天使見習いだったんだね。
ユメちゃんが手を広げると、青い世界が広がった。
「うわっ……!」
いろんな匂いを感じた。
あったかい。
「これが、本物の空」
いつの間にか握られていた、僕のスケッチブックをめくりながら、ユメちゃんは言った。
「これが……空。僕の名前と、同じ……」
「君たちは空。今一つになった」
ゆっくり手を広げた。
とても気持ちが良い。
「僕は……空。空に、本物になった」
「ほぉら、行こうよ」
ユメちゃんの手をとって、僕らは飛び回った。
空を高く高く高く……
「おやすみ、空くん?」
赤目を光らせて、鎌が振るわれた。
遠くで僕を呼ぶ声がした。
空は僕、僕は空。
世界を包むのは、僕。
「よい夢を、幼い魂さん?」
"死神"見習いは、ふんわり笑った。
>>スカイ-end-
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