罪重ねる悪魔と堕ちた天使……[鍵]

2/3
前へ
/22ページ
次へ
  「貴様の罪は神殺しだ。」  無実。単なる下位の悪魔にそのような力なぞあるわけがない。  そう、ただの無実に罪を着せられ、彼女はここに立っていた。 「刑は羽根落としとーー」  その声がやけに楽しそうで、彼女は強く、唇を噛んだ。 「天空堕ちだ。」 「ん?」  空がキラリ。  明らかに落下するものを目の端から、最初は追いやるものの、もう一度視界に入れた。  ひゅん、まるで流れ星のように一瞬ののち。 「っ!? うわっ!」  降ってきた。  まっすぐ自分のところへ、黒いものが。  すかさず左へ避けると、さっきいたところは砂煙にまかれる。 「げほっ! げほっ、」  息というか咳というか、豪快に吐き出し砂煙が収まるのを待つ。  足元が見えて来たと思ったら、きのこが散らばっていた。 「っ今日の夕飯!」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加