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ロキの内心を知ってか知らずか、ジークはロキの言葉に、不適な笑みを浮かべていた。
「ロキが、そう言うってことは、結構いいせんイッテる、てことでいいんだよね。」
そう、長い付き合いから、ロキが素直に褒める事が無い事をジークは充分に理解していた。
「調子にのるな! 言っただろう、ギリギリだと。」
ロキは、イタズラが成功した少年のような笑みを浮かべるジークにそう言うと、ジークに思いもしない言葉を向けた。
「たがまぁ、今の幻想はなかなかよかったな。」
「……………」
突然ロキが素直に褒めてきたため、ジークは口を開けたまま、呆気にとられてしまった。
「どうした、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をして。」
ロキが、皮肉気にそう言うと、ようやくからかわれた事に気付いたジークは、頭を抱えた。
「くぁ~、本っ当にいい性格してるよ。始めて会った時とは、大違いだよ!」
「まぁな、なにそんなに褒めるな。」
皮肉だと理解しているのだろう、ロキは皮肉気な態度を崩さない。
「褒めてない!」
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