健常者との結婚

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私は生まれてから一度も音を聞いた事がありません。生まれた時に聴覚障害と診断されました。私の父も母も妹も健常者です。どうして私だけなんだろ。どうして神様は私を選んだのだろう…。生まれてから何度も考えました。妹は私が聴覚障害者だと言う事で何回か苛めに合っていました。その度に私は妹に頭を下げ謝っていました。妹は何も悪くないのに…。全部私のせいなのに…。自分を何度責めたか分かりません。妹の名前は沙央里。沙央里と私は3歳離れた姉妹です。 そんな私も今日から社会に出て働きます。昔からの幼馴染みの優樹菜と穂乃佳。この二人は私を障害者と見ずに私に接してくれた友達で1番最初に手話も覚えてくれました。3人のお店は花屋で店名は3人の名前を取り【四季花(しきか)】です。 オープン初日の朝、私は嬉しくてワクワクしながら道を歩いていると横断歩道を渡っている途中で男性とすれ違い際にぶつかってしまいました。その男性とはチラッと目が合い私はすみませんと言う気持ちで頭を下げた。この男性こそが井ノ口将弥さん。あなただったのです。この時まさかあなたと一緒になるなんて思ってもみなかった。
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