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二週間に一度。
あなたに会えるのはそれだけ。
保健室の窓から見える景色は地面を覆うコンクリートと手入れのあとが見られない生い茂った木々。
背の高いヒマワリが保健室を覗いていた。
鮮やかな黄色は蒼穹によく映える。
「わかん...っない。わかんないけどっ、寂しい感じが...するのっ」
泣きじゃくりながら保健室の先生に話した。
それでも私の心は溶けなかった。
きっと先生は困っていただろう。体中をふるわせて同じようなことを、抽象的なことしか話さないのだから。
詳しくは話せない。
自分でもどうして話せないのかがわからない。
心の闇を口に出そうとするとどうしても口ごもってしまうのだ。
今の私にはありのままの自分を話せる人がいなかった。
「千葉さん、あまり抱えこまないで。保健室の中にあなたを傷つける人は一人もいないのよ」
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