1年6組

2/7
前へ
/119ページ
次へ
学校までの10分、僕はいつの間にか少女を探していた。   そう自覚したのは、校門に着く少し前だ。   何をやっているんだろうと思うと、恥ずかしくなってしまう。   学校に着くなり、「おはようございまーす」と生徒が[入学式の案内]というタイトルのレジュメを渡してきた。   特に気にせずにそれを眺め、玄関に行ってクラス表を見る。   ぶっちゃけたことを言えば、別にクラスなんてどこでもよかった。まだ友達のいない僕の高校生活は、本当にゼロからのスタートだ。   偶然だか何故だか知らないけど、8クラスの中から自分の名前を見つけるのは、そう時間がかからなかった。   指示された教室は3号館の3階。学内図によれば、玄関から一番遠い教室だ。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

408人が本棚に入れています
本棚に追加