プロローグ

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『○月×日△曜日 今日、でん車できれいな人を見ました。ふわふわしてて、お花みたいな人でした。またあいたいです。』 パタン、とおれは日記を閉じた。 胸がドキドキする。なんだろう。全力疾走したあとのような、そんくらいドキドキする。 いや、でも少し違う。 なんというか・・・頭がボーッとして、それで、体が熱い。 「・・・きれいな人だったなぁ・・」 ボワッと顔が熱くなった。 「なぁ、じーさん。おれ病気かもしれん」 目の前に座るじーさんにそう言うと、いたる扉から組員が出てきた。 「若!!今すぐお医者様に!!」 「お布団で横になっててください!!」 「飯は柔らかいものと暖かいもの!!消化のいいものにしろ!!!」 「「はい!!!」」 ガタイのいいやつがおれを抱きかかえる。じーさんは目を丸くしておれを見ていた。
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