第2章

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馬もすっかり充分な休息を要し、リュクレオンは滝の裏に隠れているだろう女性に“願わくば貴女に安らぎを……”と、心の中で祈り、将軍を引き連れ今来た道を戻っていった。 ガサガサと木の葉を揺らし消えて行くと、フェリシアは大きな安堵のため息を吐きながら岸へと上がる。 「助かったわ……」 また同じような目に合わないようにと急いで服を身に着け、木々深い森の奥へと入り込む。 誰か自分と同じように逃げ延びた人間がいるかもしれない。 そんな淡い期待を胸に、奥に、奥にへと──。
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