第3章

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どのくらいの時間彷徨っているのか。 赤い月は宙の頂点から傾き、それでも周囲を妖しく照らし出す。 かなりの時間歩き続け、終わりのない闇にフェリシアは途方に暮れていた。 風の微かに揺らす葉の音がわずわらしく聞こえ、終わりのない迷路みたいなそこに怒りを感じながら空を睨んだ。 そのまま歩を進めた。 足元にあった狐用の罠に気付かなかった。 円形状の真ん中を踏むと尖った歯が上がり足を挟まれる仕組みになっているその罠に足を踏み入れ、フェリシアは突然足をとられ。 激しい痛みを感じ、前のめりに倒れていった。
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