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おふたりの王子から姫様がお選び頂いていいなんてダイルフォースも寛大ですわね。
言いながら侍女はフェリシアにドレスを纏わせながら自分のことのように喜んだ。
そうね、とフェリシアは相槌を打つ。
でも、私は。と首を傾げた。
「……恋ってどんなものなのかしら……?」
独り言のように呟いたその言葉に侍女は異様に反応した。
「んまぁっ、姫様、恋ってっ……」
お喋りな侍女が更に輪を掛けたようにお喋りになる。
その口の動きを見ているだけで疲れた気がしたので侍女を下がらせた。
「恋なんて……」
王家の娘として生まれたときから恋なんてできない。
そう自分に言い聞かせてきた。
実際に恋する相手なんて今まで現れなかったじゃない。
私の存在は婚姻による同盟でルーシェンド、この国が平和でいるよう祈ること。
私の命ひとつでこの美しさが続くなら。
……喜んで差し出そう。
それが女王の品格。
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