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季節は流れる。
大切な国の宝であるフェリシア姫が結婚する日が迫ったある夜のこと。
──悲鳴が聞こえた。
あの声はいつも朝咲きの花を届けてくれる侍女ではなくて?
頑丈なはずの城が揺れている。
城内に、街中に響く怒号。地響き。悲鳴。
はじめは何が起きたのか判らなかった。
微睡みの中突然部屋を激しく叩かれて。
「──姫様っ!!お逃げくださいっ!敵襲です!」
侍女達が髪を振り乱して部屋に入ってくる。
「早く衣装を!」
フェリシアは一瞬で寝台から身体を起こし、窓辺から外を覗いた。
「──!!」
あの翻る旗の紋章は。
「……ダイルフォース?」
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