第1章

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あの国旗はダイルフォース。 何故?どうして?と頭の中が混乱している。 その傍らで。 部屋の隠し扉をひとりの侍女が探し当てる。 「こちらから、早く!」 寝着を脱いで着替えを施すフェリシアの目に、フェリシアの衣装に袖を通している侍女がいた。 ──いつも側にいた姉妹のようにしていた侍女。 「何をしているの!?」 他の侍女に手を引かれながら抜け道に向かう最中、フェリシアはドレスの侍女に声を張る。 「姫様」 侍女はふんわりと笑った。 「ここはお任せくださいませ」 恭しく頭を下げる。 その顔は。 覚悟を決めた、毅然とした表情。
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