プロローグ~旅の始まり~

2/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
この旅のきっかけはそもそも、 彼自身にあった。 「じいさん、ばあさん、 今までありがとう やっぱりこれは、 自分の為でもあるから」 そう言い放って、 生まれてからの16年間を育ててくれた、無血縁である おじいさんとおばあさんの元を離れた彼の名は、 ルト・ガルフィン という。 彼には親がなかった。 それどころか、親戚さえもいなかったのだ。 2人がルトを拾ったとき、 ルトは未だ 1歳にも満たない赤子だった。 さすがに放置はまずいので、 2人は1度家に戻り、 ルトが包まれていたトウで出来たカゴを漁ってみた。 すると出て来たのは、 ある家の家紋が描かれた ペンダントだった。 そしてそのペンダントを見て 2人は腰を抜かしてしまった。 家紋とは、 その年に滅亡したある一族の ものだったからである。 その一族は、あることがきっかけで ほんの小さな赤子を1人残し、 全員死んだ…。 有名だったその一族の噂は すぐに広がりを見せた。 そして目の前には、 その赤子。 おじいさんは言った。 「そんな子供、いいからほっておきなさい 呪われた赤子だ…」 だが、おばあさんは その手を離さなかった。 「そんなこと言ったって、 未だこんなに小さな 赤ん坊ですよ? 大丈夫、 面倒は私が見ますから…」 .
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!