§2 潰える歪曲

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 「気のせい、じゃねぇな……」  誰にともなくぼやきながら、紅き少年は絶対温度の白炎を収めた。気配がするからといって、いつまでも魔力の垂れ流しはしていられない。  同時に、貫く者が絶えた大剣の先端が今まで彼の居たであろう場所を指し示すように、地に着いた。そこには僅かに、かつて彼の肉体を構築していた炭と云う名の成れ果てがある。  気配はそこから感じ取れた。生命としてのそれではない。どちらかというとこれは、怨念や憎悪といった残留思念のようなモノだ。  何かに呆れたようなそれでいて冷酷な狩人のような表情で、少年が数秒凝視していると案の定、ソレはざわざわと動き出した。            
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