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――……!……!
不意に、聞き覚えのある声が少年の進行方向から聞こえてきた。そう遠く離れていない所から、複数の足音と姿が見える。
誰だか確認するまでもない。声と共に近付く旅の連れ達の気配に、知らず紅き少年は口元を綻(ホコロ)ばせていた。
“怒り”を裡(ウチ)に眠らせた少年の紅き色彩が、本来のそれに取って代わる。紅い髪から深緑へ、深紅の瞳から水色(セルリアン・ブルー)へと。
その水色はいつになく穏やかで、合流した連れ達はその表情から少年が目的を達した事を何とは無しに察し、だが特に言及はせず、互いの無事を確認し合うに留めた。
「じゃ、行くか」
少年の合図に旅の連れ達は頷き合い、今しがた彼らが来た道を今度は少年も加えて戻っていった。
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