§2 潰える歪曲

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 「……ッ……ッ」  遠くなる少年達の姿に追いすがるように、黒い手のような形のモノがのろのろと進もうとする。  だが。  「 ッ!!」  白き顎(アギト)が開きそれを阻んだ。容赦無き熱が、悪あがきを止めなかった黒きモノを全て喰らい、やがて風に流す量程もない塵芥に還した。  役目を終えたとばかりに、白い死神はその場から姿を消す。  そしてそれを物語るようにもうその場所には、戦いの跡こそ残るものの、敗北者の姿もカタチも二度と現れなかった。              §2 潰える歪曲 fin            
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