§1 記憶の奔流

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 脳は全ての記憶を保持してるのだという。それの持ち主が情報を引き出せないだけで、実際には全て覚えているのだと。              だとしたら、この瞼の裏をやたらに往復する映像達は、自分のかつての記憶なのだろう。              余りに大量の情報に目眩がする。視界が現(ウツツ)か映像のそれかすら、判別出来ない程に。              「――!?」              何処かで自分を呼ぶ声がする。映像は目まぐるしく代わるばかりで、殆どが無音だから、これはきっと現実の呼び声だろう。                        
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