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そして歪んだ彼の命を絶つ方法はひとつ。
致命傷を与え、傷が癒えぬ内に跡形もなく燃やし尽くす事。流石に灰にされてしまえば彼といえど、復活は叶わない。だからこそ、その役目は紅き少年が相応しいのだ。
“炎”に愛され、“怒り”を灼熱に変化させる少年が。
「じぃ様の……そして今まで、てめぇに殺された人達の“怒り”、潔く受け取んな。魂ごと燃やし尽くしてやるから、有り難く思って死ね」
「……っ」
少年の死刑宣告に、恨みがましさに染まった彼の瞳が見開かれる。
だが言葉は音にならず、ひゅーひゅーと虚しい口笛のようなそれが洩れるだけだ。
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