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「悪ィがてめぇの憎まれ口なんぞ、聞き飽きてんだよ。……じゃあな。これで本当に……終わりだ」
深紅に染め抜かれた少年の双瞳が刹那、白く輝いた。
「 ッ!!!!」
絶叫させるのも惜しいと言わんばかりの速さで、彼の全身を白い炎が喰らい尽くす。喉を貫通させたまま。
確実に大剣にも伝わっているであろう炎の熱はしかし、少年を焼く事も又その愛用の剣を融かす事もなかった。
理由はそれぞれひとつ。“炎”を司る一族の生き残りである少年は、炎による被害を受ける事が決してないから。そして少年の大剣は、少年自らが生み出した炎から造られた物であるが故に。
見た目こそ一般の武器と殆ど変わらないが、少年や一族以外の者が迂闊に触れると大火傷を負う危険な得物(エモノ)である。
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